さらば愛しきひとよ

2016.12.03 Saturday

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    今日の写真:「凪(なぎ)/諏訪湖」

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    NIKON D610, AF-S NIKKOR 28-300mm f-3.5-5.6G ED VR

     

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    2016/12/03 土曜日 

     

      

    (承前)

     

     

    記憶はじつに不確かなものだ。

     

    脳はあらゆる記憶を勝手に書き換えていく。

     

    わたしが大切な想い出もその例外ではない。

     

      

    ★★★

     

       

    僕はこの文章が誰かに理解されることを
     
    ほとんど期待していない。
     
    別に拗ねて(すねて)いるわけではない。
     
    これは僕のために想起され書き綴られる物語だからだ。
     
     
    そう、この世界は僕の為に存在する鏡の中の物語なのだ。
     
     
    僕のためだけに存在し
     
    そこには僕のために泣いてくれる誰かがいる。
     
    僕と世界とを隔てる浸透膜のこちら側にあるもう一つの世界。
     
    こころという不可思議な薄明の世界。
     
     
    僕は広大な海を思い浮かべる。
     
    現実のこの世界の海ではなく
     
    スタニスラフ・レムの小説を
     
    アンドレイ・タルコフスキーが映画化した
     
    「惑星ソラリス」に登場する知的生命体としての
     
    巨大な海を。
     
     
    そこでは僕はその海によって生み出された
     
    イノセントな戯れとしてのひとつの「意識」だ。
     
     
    僕はその小説をここ蓼科を旅しながら読んだ。
     
    夏の終わりに蓼科を訪れるのは
     
    すでに数年来の僕の習慣になっていた。
     
     
    しかしそれは「彼女」と会うことができなくなってから
     
    数年後のことでもあった。
     
    僕はすでに社会人になっており
     
    休日にはとりつかれたようにモーターサイクルで旅するのが
     
    日常になっていた。
     
     
    彼女と会えないということがこれほど辛いことだとは・・・
     
    いや、これほどむなしいことだとは。
     
    そう思うたびに僕はたまらなく切ない気持ちになった。
     
     
    僕という存在が足元から瓦解してゆくのを
     
    実感として認識することができた。
     
    「喪失」という言葉の概念を
     
    肉体的感覚として生まれて初めて知った。
     
     
    僕は失ってしまったのだ。
     
    そしてそれはもう二度と決して戻ってくることはない。
     
     
    彼女は鏡の向こう側に去ってしまったのだ。
     
    さよならも言わず
     
    一度も振り返ることなく。

       

      

     

    蓼科高原観光情報:

                  

    平年より進行が遅かったのでカラマツの紅葉の見頃が続いています。

     

    すっかり諸島の景色に様変わりした蓼科高原の山岳部ですが、服装さえ整えていればとても温かく楽しむことができます。

     

    現在道路に積雪はありませんが、不意の降雪・積雪に備えてタイヤチェーンの傾向をお奨めします。

     

    写真撮影が目的ならば、蓼科高原は季節を選びません。

     

    この季節もじつに様々に美しい風景と出会うことができます。

     

    皆様のお越しをお待ちしています。(*^-^*)

      

       

    from 蓼科高原ペンション・サンセット